社会活動

産官学の連携

ICTツールの開発とその活用について紹介

私どもは久山町研究の成果を地域社会に還元する目的で、2017年に産官学(株式会社ディー・エヌ・エー、久山町、九州大学)の連携により、久山町研究の研究成果(糖尿病発症のリスクスコア※1、心血管病発症のリスクスコア※2)を活用した疾患発症予測のICTツール「ひさやま元気予報」を開発しました※3。

「ひさやま元気予報」は、健診データや生活習慣を入力するだけで、将来の糖尿病や心血管病の発症確率を数字で見ることができます(図1)。また、同性・同年代の人と比べて、そのリスクが何倍なのか数字で示され、リスクの高さに応じて天気アイコンが8段階で併せて表示されます。

さらにシミュレーション画面(図2)では、左側に健診結果に基づいた将来の発症確率と同性同年代と比較した倍率が表示され、右側には体重や生活習慣、健診データ等が改善した時のシミュレーション結果が表示されます。各データが改善すると発症確率が減少するとともに天気アイコンも「雨/曇り」から「晴れ/快晴」へと変化していくことで、改善効果をイメージし易くしております。

久山町では生活習慣予防健診会場の地下に検査部門があり、健診当日の結果説明時には血液検査を含むほぼ全ての検査結果が揃っています。そのため、健診の最後に受診者全員に保健指導を実施することができます。現在は糖尿病予備群(空腹時血糖値110~125mg/dLかつ糖尿病未治療)の方を対象に「ひさやま元気予報」を使用した保健指導を実施しています。空腹時血糖値や生活習慣の改善などへの有効性を示唆する結果も得られており、地域住民における生活習慣病予防に貢献しています(写真1)。

【引用文献】
※1 Doi Y et al, Diabetic Medicine 2012;29:107-114
※2 Arima H et al, Hypertension Research 2009;32:1119-1122
※3 吉田大悟ら、保健師ジャーナル 2018;74(10):850-856

  • 図1:「ひさやま元気予報」
    結果画面

  • 図2:「ひさやま元気予報」
    シミュレーション画面

写真1:久山町生活習慣病予防健診現場での保健指導の様子

九州大学大学院 医学研究院

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